初級講座第五回「黒の勝ち方(3)」

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今回も黒の勝ち方です。

ミセ手の効用

ミセ手というのは、「次に四三だぞ」という形ですが、何も相手の見落としを期待しているわけではありません。実は最も連珠らしい攻めなのです。五目並べではそんな攻めにはお目にかかれません。ミセ手を上手に使えてこそ、有段者に一歩近づく証となります。早速例を見ていきましょう。

白4に対し黒5と引いて7、9と組んで黒勝ちの形ですが、黒13の後、黒15とミセ手を打つのが肝心です。これは次にAで四三という手なのですが、もちろん白を甘く見て打っているわけではなく、こう打たないと勝てないから打っているのです。

続きを見てみましょう。当然白は16と四三の焦点に止めますが、黒17、19と三を打って(この手順が大切です)以下四追いとなります。黒は15に石を置いて、17、19という地点に石を置きたかったのです。つまり、16の地点にはあえて打つ必要はなかったわけです。15とミセ手を打つことによって、白に16の場所をあげる代わりに17、19と打とうとしたわけです。ミセ手の効用には
相手の石数を少なくできる
というメリットがあります。これは非常に重要なことで、相手の石が増えると、ノリ手にかかる危険性が高くなります。

黒15で三を引く手を見てみましょう。これだと白16にノリ手で止められてしまいます。黒17の四ノビをして19と打っても白20と止められ、引き詰まってしまいます。引き詰まりは黒が最も避けなければならないことで、そのためにミセ手が多用されるのです。

では、黒15の時に白16とノリ手で止めるのはなぜ駄目なのでしょうか? 今度は17の後19と打って以下四追いにすることができます。縦の四を21と使えるのがポイントです。これもミセ手の効果です。つまり、ミセ手には
相手の防ぎによって別の筋が使える
(三や四を2回使えることがある) という効果もあります。ぜひ覚えておいてください。

次の例です。白12まで何気ないようですが、次の黒の一手で勝ちを決める事ができます。もちろん、どんどん引いて勝ちですが、連珠はなるべく少ない石で勝つのが美しくもあり、逆転の余地も少ないのです。慣れてくるとわかるようになりますので、石数を少なく勝つことを心がけましょう。(ただし、四追いを打つ時は別です)

正解は、黒13と打つ手です。これで次のAとBの四三が受かりません。2つ別の所に四三ができる形を「両ミセ」と言います。連珠の最も基本的な勝ち方と言えます。
連珠は両ミセで勝つ
と覚えておきましょう。両ミセをすぐに発見できるようになれば、実力もグンとアップします。

次の一手、練習問題

【第10問】
黒次の一手は?

【第11問】
黒次の一手は?

【第12問】
黒次の一手は?

前回の回答

【第7問】
Bが正解。
白Cなら13の上に四つ目に組む

【第8問】
Aが正解。
浦月定石から。

【第9問】
Cが正解。
雲月定石から。
有名な手