初級講座第四回「黒の勝ち方(2)」

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第4回も続けて黒の勝ち方について説明していきましょう。

ノリ手に注意

三の連続攻撃が基本ということを前回まで言いましたが、もちろん白もそんなに簡単には連続攻撃を許してはくれません。今回は、一番ポピュラーな白の防ぎであるノリ手について考えていきましょう。

黒5までは前回も出てきた手順ですが、白は黒のぐるぐる攻撃を防ぐために、白6と防いできました。一見、ぐるぐる攻撃にはあまり関係ない位置に見えるこの手が、間接的に防いでいるのです。
実際、黒9から飛び出していくと、黒13の時に白14と止められます。この手が白の三になっており、黒は15と止めざるを得ません。このように、一旦、三や四で相手の攻めを中断させる手をノリ手と呼びます。一旦攻めが中断すると、先手を奪われるため、白に色々な防ぎが発生します。この場合も、白16と急所に一着入れられ、混戦となってしまいます。ノリ手は、攻めを成功させるためには最も気をつけなければならない防ぎです。

ノリ手をかわすには

1)四追いをする

一番いい解決法がこれです。相手が三を打ってきても、それ以上の武器である四追い(四の連続で勝つ)をしてしまえば何の問題もありません。いつもこうだと苦労しないんですが・・・

先程の攻めも、もし白12が反対止めならば、同じように白14とノリ手で止められても黒15から四追いで勝つことができます。

でも実際には白12の反対止めで黒は困ります。やはりここは三を引き始める局面に戻って考える必要があります。途中で攻撃が途切れるなら、最初から攻撃をしない方がいいですね。もっと力を溜める方法を考えてみましょう。

2)呼手を打つ

三を打たずにもう一度力を溜めて組み立てをする手を呼手(こしゅ)と言います。これは非常に応用の利く手で、高段者の連珠は呼手の打ち合いになることもしばしばです。次に、呼手の例を見てみましょう。

2−a)くら型に組む

黒7と組むのが好形です。1,3,7の形をくら型と言います。このように、くら型にさらに石がくっついているとより強力となります。この形は非常に応用が利く形で、感覚的にこういう手が浮かぶようになると、実力もアップしています。

2−b)突き出す

黒7も同じようにくら型ですが、この場合はむしろ5,1,7の石が眠三(片方が止まっている三)を作っているので、「眠三突き出し」と見たほうがいいでしょう。これも好形です。見方を変えれば、黒が7と三を引いた時、白6と「引いた方でない」方から止めていることになりますよね。つまり、白6の手を悪手にさせようという手なのです。

2−c)四つ目に組む

さらに、白が8と止めてきた場面です。ここでもさらに力を溜めるのが有力で、黒9と組みます。この1,3,7,9の4つの石がすごい力を発揮します。その形から、通称「四つ目」と呼んでいます。ただし、四つ目に組めば必ず勝てるというわけではありません。勝つためには石を加えて眠三の形を作る必要があり、その眠三を最終的に四三にしますから、盤端まで最低3路の距離がないと効果があまり発揮できません。また、白の形によっては三々禁に持っていかれる可能性もありますので注意しましょう。

2−d)剣先を増やす

白は10と止めてきました。密集形ではないので、黒はまだまだ呼手が打てます。そこで、黒11と打ち、剣先をさらに増やしました。また二連も一つ増えていますね。こうしてどんどん力を溜めていけば、三の連続攻撃をするまでもなく楽に勝つことができます。 呼手を打つことは、家で言えば土台を作ること。攻撃の起点となりますので、その組み方は非常に重要です。基本的には剣先や二連を増やしていけば間違いありません。

その後の一例です。白はここで12とノリ手を使って防いで来ましたが、黒13と止める手が14の四三のミセ手になっており、先手を維持することができます。以下黒15から順に引いていけば難なく勝つことができます。

次の一手、練習問題

【第7問】
黒次の一手は?

【第8問】
黒次の一手は?

【第9問】
黒次の一手は?

前回の回答

【第4問】
Bが正解。

【第5問】
Bが正解。

【第6問】
Aが正解。