中級講座第五回「盤端を意識しよう」

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盤端とは、そうです、盤のはしっこのことです。盤のはしっこなんて意識する必要あるの?と思われる方も多いと思います。確かに通常は意識することはありません。しかし、盤端を意識する事によって後ですごく得をする事があります。そんなに難しく考えなくて結構です。ちょっとしたコツをつかむだけで簡単に判断できます。

恒星白4の防ぎに対し黒5は定石ですが、白6は左右どちらから止めた方がよいでしょうか?「何だそんなの同じじゃないか」という人もいるでしょうが、盤端関係を考えたら実は違うのです。こんな最初の頃から実は盤端を意識する事が必要なのです。と言ってもいきなり盤一杯の攻めを読んでいるわけではありませんので、ここは空間の「広さ」を考えて見ましょう。盤端関係=広さと置き換えて考えた方がわかりやすいでしょう。白6は右が左しかありませんが、それぞれ止めた時の盤全体の配置を見てみましょう。

<A図>

<B図>

A図とB図を比べてみましょう。黒は止めた石と反対側に攻めようとします。つまり、白が止めなかった方の石から盤端までの距離が大きいほど黒にとって都合がいいことになります。A図では黒は1の石(天元)から左は盤端までず〜っと空いています。つまり、盤端まで7路あることがわかります。同様にB図では黒3の石から右側の数を数えてみると、5路しかありません。同じように見えますが、A図とB図では2路も差がついています。実はこれは非常に大きなことで、盤端までの距離が大きければ大きいほど簡単に勝てる事が多くなります。白はB図の止めを選ぶだけで、黒を狭い方に追いやっているのです。どうでしょう、専門知識は要りません。盤端までの距離を数えてみるだけで一つ得をしたことになりますね。実際にはいちいち盤端までの距離を数える必要はありません。我々はいつも

  • 天元がどこにあるか常に確認する

ことで、どちらが広いか簡単に判断しています。今の例なら、白は広い方から止める必要がありますので、天元のある側を止めればいいことになります。

次の例です。雲月桂馬バサミの強防ですが、こういう対象形に防いできた時によく発生します。黒5はAかBどちらが良いでしょうか?
AもBも上下方向には天元から1路違うだけなので同じです。問題は左右ですが、天元の位置を確認すればAの方が盤端まで広い事がわかります。AとBでは1路の違いがあります。

今度は松月です。白4は「天地止め」と呼ばれる最強防ですが、黒5はA、Bどちらが良いでしょうか?左右は同じ列にあるので、今度は上下方向が問題になります。天元の位置を確認すれば、Aの方が良いことがわかります。ただし、高度な作戦になると、わざとBの狭い方に打って後の展開を有利にしようという手もないわけではありません。しかし今はAの方が良いと覚えておいてください。

こうなると、だんだんパズルのようになってきますね。長星で白4と打つのは疎星と同型になりますが、この4だと狭い方に打っている事になり、白は若干不利です。もし白4をAなら今度は盤端関係が同じになります。形が違って通常の疎星では見られない形になりますから、相手を混乱させる意味で使うのも面白いかもしれません。(ただし自分が混乱してしまってはダメですよ)

<雲月から> <雨月から>

序盤で盤端関係が問題になるのは、形が同じ珠型、雲月・雨月や峡月・渓月に多く表れます。
例えば白4の作戦に、黒5と引き白6と止めた形を考えてみましょう。雲月からと雨月からでは同じようでも広さが違ってきます。白がいない側の広さが問題になりますので、雨月からいった方が黒は不利で、白としては雨月からかけた方がいいということになります。
また、珠型は違っても、途中で形が同じになる事があります。これを見分けるのはちょっと難しいのですが、これも天元の位置を確認することで判別できます。

<残月から> <水月から>

この2つの形はまったく同じように見えますが、よく見ると天元の位置が違っています。この図なら白としては残月からかけた方が良い事がわかりますね。

このように難しい盤端関係は今のうちかはそれほど考えなくてもいいですが、最初の例のように三の止め方で広さが変わる場合にはちょっと考えて見ましょう。それがあとあと自分に大きく味方することにもなったりします。

次の一手、練習問題

【第13問】
(黒先)

【第14問】
(白先)

【第15問】
(白先)

前回の解答

【第10問】
Aが正解

【第11問】
Cが正解

【第12問】
Bが正解