初級講座第十回「心構えなど」

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これで初級講座は最終回です。

守って欲しいこと

これまでの講座でだいたい連珠の打ち方を教えました。あとは皆さんが実戦で知識を増やし楽しんでいただければ結構です。ただ、この講座の最後を締めくくる意味でも、今後の打ち方の心構えなどアドバイスいたします。ぜひ以下の項目を心がけてください。

(1)無駄な四ノビはしない

初心者の打つ四は大部分悪手です。四を伸びると攻めているような錯覚を起こすからだと思います。無駄な四ノビには、

  • 自分の四三の芽をつぶしている
  • 相手の石を増やしている

という罪悪があります。四三と四追い以外の四は打たない、というぐらいの決意で臨んでください。迷ったら四ノビはしない、でもたいてい正解です。また、追い詰めで結果が同じでも四は最後に打ちます。そういう習慣をつけてください。何しろ相手は考えなくていいので、これほど相手にとっておいしい手はありません。無駄な四ノビを止めるだけで、勝率がぐんとアップします。

(2)なぜそこに打つのか、という理由をはっきりさせてから打つ

次の一手は盤上で最もいい手を目指しているはずです。でも、なぜそこに打つのか考えながら打っているでしょうか?「ただ何となく」「相手の攻めが怖そうだから」という理由が案外多いのではないでしょうか。たとえ結果が悪くても、なぜそこに打ったのかがはっきりしていれば、次もし同じ局面に出くわしたとしても今度はそこを避ける事ができます。着手には必ず理由があるはずです。その理由が明快であればあるほど、勝率も上がっていくはずです。そこには「読み」という作業が必ず必要となります。明快な理由は、読みのレベルが深くなった証なのです。

(3)筋のいい手を打つ

これは概念的なことなので難しいと思いますが、今までやってきたような組み立てや、桂馬の網の防ぎなど、効率のいい手を目指しましょう。追い詰めも、できるだけ石数が少なくなるように工夫しましょう。結果よりも内容が大切です。今まで多くの人を見てきましたが、筋のいい人は伸びるスピードが違います。習慣的に四を打つのが多い人は伸びません。四は一番筋が悪い手なのです。

(4)棋譜を取る

とは言え、勝負ですから勝ち負けには一喜一憂するでしょう。それはそれで構いませんが、大事なのは一局一局反省することです。勝ったとは言え相手の見落としかもしれません。まずは棋譜を取ることから始めましょう。最近はパソコンに記録する方法もありますが、原始的に方眼紙を使っても結構です。その対局の感想や、ポイントとなった一着をなぜ打ったかなど書いておくとなおいいでしょう。なお、見やすく取るためには、黒石の番号を丸で囲んで白石と区別するのが一般的です。

(5)盤と石は用意する

パソコン時代になっても、盤上に碁石を打つことで脳に情報が焼き付けられます(本当?)。石を触っている時間が長いほど強くなる関係にあります。一局を振り返る時、追い詰めを探す時、など実際に盤上で検討しましょう。私も昔、将棋盤の裏に紙を張って連珠盤を作った事があります。碁石は囲碁と共通ですから入手できます。

(6)目標とする人を作る

勝負の世界は身近にライバルがいると非常に実力がアップします。できれば少し強いぐらいがいいですね。そのライバルと切磋琢磨することで、お互いに刺激しあえます。また、もっと強い師匠のような人でも結構です。その人に教えてもらうことで、その人に近づけるように努力します。つまり、目標ができます。何事にも目標を設定する事が大事で、大会に出場して○位以内に入る、などの目標を立てて打っていくと不思議とその通りになるものです。

(7)実戦を多く打って、楽しむこと

でも、結局は実戦を繰り返すしかありません。初心者でも、名人でも、
実戦と研究の繰り返し
しか強くなれません。また、根底には連珠が楽しい、という感覚がないと長続きしません。「打って楽しむ」ゲームです。ぜひこの楽しさを多くの人に伝えていってください。

前回の回答

【第22問】
白1、3にてX点三々禁

【第23問】
白1、3でX点四三と三々の焦点で白勝ちです